教員プロフィール 櫻井 康人 教授(ヨーロッパ中世史) 研究テーマ 特に「聖地巡礼記」の分析から中近世ヨーロッパ世界の十字軍観?イスラーム観の変遷を探る。 研究トピック ヨーロッパ対イスラーム?聖地巡礼記から見えるもの アウクスブルクの騎士マルティン?ケッツェルの聖地巡礼記(1476年) 一般に、「十字軍運動=ヨーロッパ対イスラーム」という図式が前提とされがちです。しかし、エルサレム周辺域が完全にイスラーム勢力下に収まって以降も、ヨーロッパ人たちは聖地巡礼を行い、その内の幾人かは聖地巡礼記という形で「他者」の世界における経験を綴っています。その分析を行ってみると、Pax Islamicaの下で安全な聖地巡礼を行えた者たちは、ムスリムに対して好意的な見方をしていることが解ります。このように、皆さんもまずは前提を疑ってみることから始めてみませんか? 櫻井ゼミの卒論例 「都市ケルンにおける自治化の過程―政治支配層の変遷を中心に―」 「中世アイルランドにおける周辺関係とアイデンティティの変遷」 最近の著作 マルティン?フォン?パイリスの「十字軍」―「十字軍」参加者の「十字軍」観―」『空間と移動の社会史』ミネルヴァ書房 2009年 「12世紀エルサレム王国における農村世界の変容 ―「ナブルス逃亡事件」の背景―」『ヨーロッパ文化史研究』11 2010年 「1481年~1500年の聖地巡礼記に見るイスラーム観?ムスリム観?十字軍観 ―後 期十字軍再考(5)―」『ヨーロッパ文化史研究』13 2012年